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入れ歯で食べると味がしない?入れ歯をすると味覚が変わる原因や解決方法を紹介します!

入れ歯で食べると味がしない?入れ歯をすると味覚が変わる原因や解決方法を紹介します!

入れ歯で食事をして、味がしないと感じたことはありませんか?
入れ歯は取り外してメンテナンスを行い、長期間快適に使えるため、とても便利な手段ですが、食べ物の味がしないと食事の楽しみが減ってしまいます。
本記事では入れ歯で食べると味がしない原因について以下の点を中心にご紹介します。

  • 入れ歯で食べると味がしない原因
  • 入れ歯以外で味がしない原因
  • 入れ歯をして味覚が変わったときの解決方法

入れ歯で食べると味がしない原因について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

入れ歯と味覚について

入れ歯と味覚について

入れ歯は具体的にどのような機能を持ち、味覚はどのような役割を果たすのでしょうか。以下にそれぞれ解説します。

入れ歯とは

入れ歯とは、歯を失った部分に人工の歯を装着し、咀嚼機能や発音、審美性を補うための歯科補綴装置です。
総入れ歯と部分入れ歯の2種類があり、総入れ歯はすべての歯を失った場合に使用し、部分入れ歯は一部の歯を失った場合に使用します。
入れ歯は取り外しができ、自身の歯のように見た目が自然であるため、見た目を気にする方におすすめです。
また、定期的なメンテナンスを行うことで、長期間にわたって快適に使用できるため、生活の質を維持する手段として利用されています。

味覚とは

味覚とは、食べ物や飲み物をお口に入れた際に感じる味の感覚であり、私たちが食事を楽しむために重要な役割を果たしています

味覚は主に舌にある味蕾(みらい)と呼ばれる感覚器官で感じられ、甘味、酸味、塩味、苦味、旨味の5つの基本的な味が認識されます。これらの味覚信号は、味蕾から神経を通じて脳に伝達され、味の感じ方や濃淡が判断されます。

また、味覚は年齢や体調、食事の習慣によって変化する場合があり、風邪をひいたときやストレスがあると感じ方が鈍くなることもあります。

入れ歯をすると味がしない原因

入れ歯をすると味がしない原因

入れ歯で食事をすると味がしないことには、さまざまな原因が挙げられます。以下に詳しく解説します。

味蕾を覆っている

入れ歯をすると味がしないと感じる原因の一つは、味を感じる器官である味蕾が入れ歯によって覆われてしまうことにあります。

味蕾は舌の表面やお口の中の粘膜にあり、食べ物や飲み物の味を感じ取る役割を果たしています。
しかし、入れ歯を装着すると、上顎部分の味蕾が義歯によって覆われ、味覚信号が脳に伝わりにくくなります。その結果、味が感じにくくなったり、食事の楽しみが減ってしまうことがあります。

噛み合わせの不具合

入れ歯の噛み合わせの不具合が原因で、味がしないと感じることもあります。
噛み合わせが適切でない入れ歯を装着していると、食べ物をうまく噛み砕けず、唾液と食べ物が十分に混ざり合わないため、味を感じにくくなることがあります。
噛むことによって食べ物の成分が唾液に溶け出し、舌の味蕾に伝わることで味を感じる仕組みがあるため、噛み合わせが悪いとそのプロセスがうまく働かなくなります。

また、噛み合わせの不具合によって入れ歯が安定せず、食事中に違和感を感じることで、舌の動きや食べ物を味わう能力が低下するケースもあります。

温度を感じにくくなる

入れ歯の装着によって味がしないと感じる原因の一つに、温度を感じにくくなることも挙げられます。

食べ物の温度は味覚の重要な要素であり、冷たいものや温かいものを食べる際、その温度が味わいを豊かにします。
しかし、入れ歯を使用すると、上顎部分に装着された入れ歯が口蓋を覆ってしまうため、食べ物や飲み物の温度が直接伝わりにくくなります。
その結果、食事の際に温度を感じにくくなり、味覚の一部が失われてしまうことがあります。

また、入れ歯によってお口の中の温度変化が鈍くなると、食事の際に感じる熱さや冷たさなどの刺激が減少し、食べ物の風味や味わいを十分に感じられなくなります。
温度は味覚の強さや感じ方にも影響を与えるため、温かいスープや冷たいアイスクリームを食べても、その温度がしっかり伝わらなければ、味のインパクトが薄れてしまいます。

舌が動かしにくい

入れ歯を装着すると、舌の動きが制限される点が、味を感じにくくなる原因の一つになります。

舌は食べ物をお口の中で動かして味を感じるために重要な役割を果たしています。入れ歯を装着すると、入れ歯が舌の動きを制限してしまうため、食べ物を舌全体で感じることが難しくなります。

また、入れ歯が口腔内のスペースを占めることで、舌が自由に動けなくなり、味蕾に食べ物が十分に触れにくくなるため、味覚が鈍くなる傾向があります。さらに、入れ歯が舌に触れることで違和感が生じ、無意識に舌の動きを抑えてしまうことも味を感じにくくする原因となります。

唾液の分泌量が減っている

入れ歯を装着していると食べ物の味がしにくくなる原因の一つとして、唾液の分泌量が減少していることが挙げられます。

唾液は、食べ物をお口の中で溶かして味蕾に味を伝える重要な役割を果たしています。そのため、唾液の分泌量が不足すると、食べ物の味を十分に感じられなくなることがあります。
入れ歯の装着による圧迫感や違和感から唾液の分泌が抑えられ、口腔内の乾燥を感じることも多いようです。

入れ歯以外で味がしない原因

入れ歯以外で味がしない原因

ここまで入れ歯で食べると味がしない原因をご紹介しました。
それでは、入れ歯以外の原因だとどのようなことが考えられるのでしょうか。以下に詳しく解説します。

加齢によるもの

年齢を重ねると、舌や口腔内に存在する味を感じる器官である味蕾の数が徐々に減少し、味覚の感度が低下してしまいます。
若い頃には数千個あった味蕾も、加齢に伴ってその数が減少し、新陳代謝が低下するため、味を感じる力が弱まっていきます。

さらに、加齢に伴って唾液の分泌量も減少する傾向があります。
唾液は食べ物をお口の中で溶かし、味蕾に味を伝える重要な役割を担っていますが、唾液の量が減ることで、食べ物の味を十分に感じられなくなることがあります。

亜鉛不足

亜鉛は私たちの体にとって重要なミネラルであり、味覚を正常に保つ上で欠かせない役割を果たしています。亜鉛が不足すると、味蕾の再生が滞り、食べ物の味を十分に感じられなくなることがあります。

亜鉛不足が長期化すると、食事をしても味がぼんやりとしてしまい、おいしさを感じられなくなる味覚障害が起こりやすくなります。
例えば、食べ物が苦く感じたり、甘さや塩味をほとんど感じなくなるケースも見られます。
こうした味覚障害は、食事の楽しみを失うだけでなく、食欲不振や栄養不足にもつながる可能性があります。

薬の副作用

薬の副作用が原因で、食べ物の味を感じにくくなることがあります。
高血圧の治療薬や抗生物質、抗うつ薬、抗がん剤など、一定の薬を服用している場合に味覚の変化が生じることがあります。
薬が味蕾や神経に影響を与え、甘みや塩味、酸味を感じにくくしたり、味が苦く感じることがあります。

味覚の変化は一時的な場合もありますが、長期間続く場合は食事が楽しめなくなり、食欲不振や栄養不足につながる可能性もあります。

疾患によるもの

さまざまな疾患が原因で、食べ物の味を感じにくくなることもあります。

例えば、糖尿病や腎臓病、肝臓病などの全身性の疾患では、味を感じる味蕾細胞や味覚に関わる神経の働きが低下し、味覚に異常が起こることがあります。

風邪やインフルエンザ、鼻炎などの上気道感染症でも、嗅覚と味覚の連携が乱れることで味を感じにくくなるケースが見られ、口腔内の病気や胃腸の疾患も味覚に影響を与えることがあります。

ストレスなど心理的要因

ストレスや心理的な要因が原因で、食べ物の味を感じにくくなることもあります。
過度なストレスや緊張、不安、うつ状態などは、自律神経のバランスを乱し、味覚を正常に感じるための神経伝達に影響を与えることがあります。
その結果、甘みや塩味、酸味などの味を感じにくくなり、食事を楽しめなくなる味覚障害が生じることがあります。
そして、仕事や人間関係の悩み、長時間の緊張状態などが続くと、味覚に異変を感じるケースが増えます。

入れ歯をして味覚が変わったときの解決方法

入れ歯をして味覚が変わったときの解決方法

入れ歯をして味覚が変わってしまったときの解決法として、どのようなことがあるのしょうか。以下に解説します。

入れ歯の種類を変更する

入れ歯の種類を変更するのも、解決方法の一つです。それでは入れ歯の種類と費用を詳しくみていきましょう。

保険・自費診療の入れ歯

入れ歯には保険診療と自費診療の2つの種類があります。
保険診療の入れ歯は、国が定めた基準にしたがって製作されるため、低価格で提供されます。
素材は主にプラスチック製で、基本的な機能を果たしますが、強度や装着感、見た目の自然さに限界があります。そのため、快適性や耐久性を求める場合にはやや物足りなさを感じるかもしれません。

一方、自費診療の入れ歯は、使用する素材やデザインの選択肢が広がり、患者さんの口腔内の状態に応じて製作されます。
例えば、金属床を用いた入れ歯は、薄くて丈夫で装着時の違和感が少なく、食事をより楽しめる利点があります。

また、見た目の自然さや美しさを追求できるため、審美性を重視する方におすすめです。
ただし、費用は保険診療に比べて高くなります。自身のニーズや予算に応じて選択するのが大切です。

入れ歯の費用目安

入れ歯の費用は、保険診療か自費診療かによって大きく異なります。
保険診療の入れ歯は、国の規定に基づいて製作されるため、安価で提供されることが多いようです。

部分入れ歯の場合は数千円~1万円程度、総入れ歯でも1~2万円程度の費用となります。ただし、保険適用の入れ歯は素材や製作方法に制限があるため、耐久性や装着感、審美性に限界があることが考えられます。

一方、自費診療の入れ歯は、使用する素材やデザイン、技術に幅広い選択肢があるため、費用も大きく異なります。
部分入れ歯の場合は数万円~数十万円程度、総入れ歯では数十万~100万円以上になるケースもあります。
例えば、金属床やシリコーンを使った高品質な入れ歯は、装着感が良く、見た目も自然な仕上がりになりますが、その分費用は高額になります。

ぴったりな入れ歯を選ぶためには、費用だけでなく、自身のニーズや口腔内の状態を考慮しながら歯科医師と相談するのが大切です。

インプラント治療を検討する

入れ歯で味覚が変わってしまった場合、インプラント治療を検討するのも解決方法の一つです。それではインプラント治療の具体的な治療法と費用をみていきましょう。

インプラント治療とは

インプラント治療とは、失った歯を補うために顎骨に人工の歯根を埋め込む治療法です。
歯根にはチタン製のインプラントを使用し、顎骨としっかり結合させることで天然歯に近い安定感と機能性が得られます。その上に歯の被せ物を装着するため、見た目も自然で、噛む力もほぼ元の歯と同等に回復できます。
入れ歯やブリッジとは異なり、周囲の歯に負担をかけずに単独で機能するため、ほかの歯を守る効果も期待できます。

ただし、外科手術が必要であり、保険適用外のため費用が高額になる点に注意が必要です。

インプラント治療の費用目安

インプラント治療の費用は、治療内容や使用する素材、クリニックによって大きく異なりますが、1本のインプラント治療にかかる費用は30万~50万円程度が目安とされています。
費用には、インプラント本体の費用、被せ物の費用、手術費用、検査費用などが含まれます。

また、骨が足りない場合の骨増生手術や治療後のメンテナンス費用など、追加費用がかかる場合もあります。
インプラント治療は保険適用外であるため、全額自己負担となります。

クリニックによって費用や治療方針が異なるため、事前にカウンセリングを受けて見積もりを確認し、自身に合った治療を選ぶことが大切です。

まとめ

まとめ

ここまで入れ歯をすると味がしない原因についてお伝えしてきました。
入れ歯をすると味がしない原因の要点をまとめると以下のとおりです。

  • 入れ歯で食べると味がしない原因として、味蕾を覆っている、噛み合わせの不具合、温度を感じにくくなる、舌が動かしにくい、唾液の分泌量が減っていることが挙げられる
  • 入れ歯以外で味がしない原因として、加齢によるもの、亜鉛不足、薬の副作用、疾患によるもの、ストレスなどの心理的要因が挙げられる
  • 入れ歯をして味覚が変わったときの解決方法として、入れ歯の種類を変更したり、インプラント治療を検討したりする方法がある

ストレスなく入れ歯を使用し、快適な生活を送るためにも、これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
菱川 敏光医師(ひしかわ歯科院長)

菱川 敏光医師(ひしかわ歯科院長)

長崎大学歯学部卒業 愛知学院大学大学院歯学研究科修了 愛知学院大学歯学部歯周病学講座講師(2020年3月まで) 愛知学院大学歯学部歯周病学講座非常勤講師 ひしかわ歯科 院長

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