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歯茎下がり(歯肉退縮)を戻す方法は?原因や治療法について徹底解説!

歯茎下がり(歯肉退縮)を戻す方法は?原因や治療法について徹底解説!

鏡を見たときに、歯茎が以前より下がっているような気がする経験はありませんか?
歯茎が下がってしまう、いわゆる歯肉退縮は、歯根が露出してしまい、知覚過敏や見た目の悪化など、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。
本記事では歯茎下がりを戻す方法などについて以下の点を中心にご紹介します。

  • 歯茎下がり(歯肉退縮)の症状や原因
  • 歯茎下がり(歯肉退縮)の戻し方・治療法
  • 歯茎下がり(歯肉退縮)の予防方法

歯茎下がりの原因や戻す方法などについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

歯茎下がり(歯肉退縮)について

歯茎下がり(歯肉退縮)について

歯肉退縮の自覚症状を教えてください
歯肉退縮の進行に伴い現れる自覚症状について説明します。
  1. 歯茎の色や質感の変化 初期には歯茎の色が健康的なピンクから赤みを帯びた色へと変わり、質感も軟らかく、薄くなる傾向にあります。この変化は、歯茎が炎症を起こし、敏感になっているサインです。
  2. 歯が長く見える 歯茎の後退が進むと、歯茎に覆われていた部分が露出し、歯が長く見えるようになります。
  3. ブラックトライアングルが現れる 歯茎が下がることで、歯間部に三角の隙間(ブラックトライアングル)が生じ、すきっ歯に見えたり、食べ物のかすが溜まりやすくなります。
  4. 知覚過敏 露出した歯根は保護層が失われるため、冷たいものや熱いもの、甘いものに対して敏感になり、しみる感覚や痛みが出やすくなります。
  5. 歯がグラグラする・抜ける さらに進行すると、歯が動揺し始めることがあります。歯槽骨の減少により、歯の固定力が弱まり、抜け落ちるリスクも高まります。また、食べ物が歯間に挟まりやすくなることもあり、むし歯や歯周病の悪化につながります。
歯肉退縮の原因を教えてください
歯肉退縮の原因には、さまざまな要因が関与します。以下の主な要因を確認してみましょう。
  • 加齢:年齢とともに身体が衰えるように、歯茎も衰えやすくなります
  • 歯周病:歯周病により炎症が発生し、歯茎や顎の骨が破壊され、退縮を引き起こす可能性があります
  • 不適切な歯磨き:強い力での歯磨きは、歯茎を傷つけ、退縮を進行させる要因となります
  • 噛み合わせの不良:歯に不自然な力がかかることで、歯茎に負担がかかり退縮を引き起こすことがあり、歯列から外れた八重歯(犬歯)がある場合も歯肉退縮のリスクがあります
  • 歯列矯正:歯列矯正治療により過剰な力が加わったり、歯並びが変わったりすることで、歯肉退縮を引き起こしたり歯茎が下がったように見えたりするケースがあります
  • 喫煙:喫煙は血流を悪化させ、歯茎への酸素や栄養の供給が不足し、、歯茎の後退を引き起こします
歯肉退縮を放置するとどうなりますか?
歯肉退縮を放置すると、さまざまな問題が発生する可能性があります。
前述したように、歯の根部分が露出することで、歯が冷たい飲み物などに過敏に反応し、知覚過敏の症状が現れる可能性があり、日常の飲食が不快に感じられることがあります。

また、露出した歯根面はむし歯になりやすいリスクがあります。歯根面にできるむし歯は“根面う蝕”と呼ばれ、進行が早いため抜歯のリスクも高まります。さらに、歯周病が進行していることも少なくないため、早めの対処が必要です。

さらに、歯茎が下がると歯が長く見えるようになり、審美性も低下します。歯が長く見えると、顔全体の老け感が増す場合もあります。

歯茎下がり(歯肉退縮)の治療法

歯茎下がり(歯肉退縮)の治療法

歯肉退縮は自力で直せますか?
いいえ、歯肉退縮は一度進行してしまうと、自力でもとに戻すことは難しいとされています。

歯周病などによって下がった歯茎は自然に回復することはなく、市販の薬用歯磨き粉やマッサージでは効果が期待できません。歯周病が進行すると、顎の骨も溶かされてしまうリスクがあります。

歯茎が下がっていることに気付いたら早めに歯科医師に相談し、アドバイスや原因に応じた治療を受けることが悪化を防ぐためにも重要です。

歯茎下がり(歯肉退縮)の治療法を教えてください
歯茎が下がる(歯肉退縮)の治療法は、その原因や進行状況によって異なります。以下、いくつかの治療法について説明します。

日々の歯磨きの見直し:
まずは、毎日の歯磨き方法を改善して、正しい方法で歯と歯間をきれいにしましょう。

歯周病の治療:
歯肉退縮の原因が歯周病である場合、歯周基本治療などの専門の治療を行い、歯茎の炎症を抑えてさらなる退縮を防ぎます。

歯列矯正治療:
歯並びが悪いことが原因である場合、矯正治療で歯を正しい位置に戻すことで歯茎の状態をサポートします。

歯肉移植手術:
歯茎下がりが進行し歯の根がむき出しになっている場合、ほかの健康な部分から歯茎を移植して、根を覆う手術があります。

GTR(歯周組織再生誘導)法:
歯周病により損なわれた歯槽骨や歯根膜などの歯周組織を再生させる治療法です。歯周ポケット内のプラークや歯石を除去し、失われた骨の部分にメンブレンと呼ばれる人工膜を挿入して再生に導きます。

これらの治療方法は、個々の症状や進行度によって選ばれます。自分に合った治療法を見つけるためには、歯科医師とよく相談をすることが大切です。

歯茎下がり(歯肉退縮)にならないために

歯茎下がり(歯肉退縮)にならないために

歯肉退縮の確認方法を教えてください
歯茎が下がったかどうかを確認するためには、以前の歯と歯茎の状態を比較してみましょう。自身で撮影した写真と見比べるのが理想ですが、日常的に撮影している方は少ないかもしれません。

その場合は、かかりつけの歯科医院で以前の写真を見せてもらい、変化を確認する方法が有用です。また、以下のセルフチェック項目も参考になります。

  • 周囲より長く見える歯がある
  • 歯茎付近の変色
  • 冷たい飲み物がしみる
  • 食べ物が歯の間に詰まりやすい
  • 話す際に空気が漏れる感覚がある

以上のような症状が複数該当する場合、歯茎が後退している恐れがあるため、歯科医師に相談することをおすすめします。

歯肉退縮の予防を教えてください
歯肉退縮を予防するためには、日常のケアと定期的なメンテナンスが欠かせません。以下のポイントを意識しましょう。
  1. 正しい歯磨き方法
    歯茎に優しいやわらかい歯ブラシを使用し、100~200g程度の適度な力で磨きます。ペンを持つように歯ブラシを握ることで、過剰な力を防げます。また、フロスを併用すると、歯間の汚れも取り除きやすくなります。
  2. 定期的な歯科検診
    歯科医師による定期的なチェックを受けることで、早期に歯肉退縮を発見し、適切な治療や予防策を講じることができます。歯石除去などのメンテナンスが大切です。
  3. 禁煙の実践
    喫煙は歯肉に悪影響を及ぼし、歯肉退縮を悪化させる要因になります。禁煙外来などを活用して、喫煙を控えることが口腔内の健康維持に役立ちます。
  4. 健康的な生活習慣
    栄養バランスの取れた食事やストレスの管理も歯茎の健康を保つためには重要です。

歯肉退縮を予防し、健康な口腔環境を保つためには、これらの習慣を心がけましょう。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで歯茎下がりを戻す方法などについてお伝えしてきました。歯茎下がりを戻す方法の要点をまとめると以下のとおりです。

  • 歯茎下がり(歯肉退縮)の症状は、歯茎の色や質感の変化、歯が長く見える、ブラックトライアングルが現れる、知覚過敏、歯がグラグラしたり抜けたりすることがあり、これらを引き起こす原因には、加齢や歯周病、力を込めた歯磨きや噛み合わせの不具合、歯列矯正、喫煙や生活習慣などが関与している
  • 歯茎下がり(歯肉退縮)を自身で戻すことは難しく、治療法には、日々の歯磨きの見直しや歯周病の治療、歯列矯正治療、歯肉移植手術、GTR(歯周組織再生誘導)法など、原因や症状に応じて選択される
  • 歯茎下がり(歯肉退縮)を予防するためには、適度な力で歯磨きを行い、生活習慣を見直し、定期的に歯科検診を受けることが重要

歯茎が下がってしまうと、自身で元の状態へ戻す方法はなく、歯科医院などで治療を受ける必要があります。今から見直せる予防法を理解し、歯茎下がり(歯肉退縮)を防ぐ可能性を高めましょう。

本記事が皆さまの参考になりましたら幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
箕浦 千佳医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

箕浦 千佳医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

朝日大学歯学部卒業 / 現在は長谷川亨歯科クリニック非常勤勤務

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