子どもが歯医者に通うことは、お口の健康を生涯に渡って維持していくために重要です。 適切な歯科医院の選び方から、年齢別に見られる口内トラブルの対応まで、保護者として知っておくべきポイントが多く存在します。
本記事では、子どもが歯医者に通う時のポイントについて以下の点を中心にご紹介します。
- 小児歯科の診療内容
- 小児歯科選びのポイント
- 【年齢別】子どものお口のトラブル
子どもが歯医者に通う時のポイントについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
何歳から歯医者に通うべきか
- 子どもはいつから歯医者に行けばいいですか?
- 子どもが歯医者に行く適切なタイミングは、意外にも早い時期から始まります。一般的には歯が生え始める生後6ヵ月頃から、歯科医院での検診が可能とされています。
0歳で歯医者に行くのは早すぎると思われる方も多いかもしれませんが、歯科医師に子どもの口腔ケア方法を聞くこともできるメリットがあります。
乳歯が生え始める1歳半〜2歳半の時期はまだ歯が成熟しておらず、むし歯になりやすいタイミングです。この時期に適切な予防を行うことで、将来のむし歯リスクを減少させます。
3歳になると、ほとんどの子どもが歯科治療を受けられるようになりますが、初めての歯科診療は、子どもが歯医者を嫌がらないよう、丁寧に行うことが重要です。
- 小児歯科の対象年齢は何歳までですか?
- 小児歯科の対象年齢は、生後6ヵ月から15〜18歳までとされています。生後6ヵ月頃には乳歯が生え始め、その後永久歯へと生え変わります。
1歳半前後では奥歯も生えてきますので、奥歯のむし歯のリスクも伴います。また、15歳頃には多くの子どもが歯並びや噛み合わせが成人と同様に整うため、小児歯科の治療が完了する年齢としています。
しかし、お子さんの口内環境や健康状態に応じて、年齢以上に柔軟に対応することも大切です。
- 乳歯も治療するべきですか?
- 乳歯もむし歯になれば治療する必要があります。
乳歯は永久歯に生え変わるため一時的なものと考えられがちですが、むし歯を放置すると、口腔内の細菌が増殖し、後に生える永久歯にも影響を与える可能性があります。乳歯がむし歯によって早期に失われると、歯並びに悪影響を及ぼし、永久歯が正常な位置に生えるためのスペースが狭まることがあります。また、重症化すると歯根部に膿がたまり、痛みやほかの健康問題を引き起こすことも。
乳歯の健康がお子さんの将来の口内環境に重要な役割を果たすため、むし歯に気付いたら迅速に対処し、適切な治療を受けることが推奨されます。
歯医者に子どもが通うときに気になるポイント
- 歯医者で子どもが泣いてしまったときの対処法を教えてください
- 子どもが歯医者で泣いてしまうのはよくあることですが、保護者の方ができる対処法には以下のようなものが挙げられます。まずは、子どもが機嫌のよい時間帯を選んで訪れることが重要です。
また、歯科医院によっては個室での診察や、子どもが泣きやすい時間帯に配慮したスケジューリングを行っているところもあるので、事前に相談してみるとよいでしょう。子どもが泣いてしまった場合、焦ることなく、医師やスタッフに任せることが大切です。
また、親御さんは子どもを叱らず、安心させることに専念してください。
歯医者を恐怖の場所ではなく、歯がきれいになる快適な場所としてとらえられるよう、ポジティブな話をして理解を助けましょう。
- 小児歯科ではどのような診療が行われていますか?
- 小児歯科では、子どもたちの歯とお口の健康を守るための専門的な治療が行われます。
主な診療内容には、むし歯のチェックと治療、歯並びと噛み合わせの評価、フッ素塗布やシーラントによるむし歯予防が含まれます。
子どもの歯は大人の歯と異なり、やわらかくむし歯になりやすいため、早期発見と治療が重要です。また小児歯科は、乳歯の正しい生え変わりを支えるため、永久歯へのスムーズな移行を見守る役割も担っています。
小児歯科では、子どもが安心して治療を受けられるような環境作りや、初めての歯医者訪問から成長段階に合わせた対応が心がけられています。
- 子どもが通う歯医者選びのポイントを教えてください
- 子どもの歯医者選びにはいくつか重要なポイントがあります。
まず、小児歯科専門医の資格を持つ歯医者を選ぶといいでしょう。
また、子どもが恐怖を感じないような環境づくりがされているかも確認しましょう。例えば、プレイエリアが整備されている、スタッフが子どもに優しく接してくれるなど、子どもがリラックスできる配慮がされているかが重要です。
さらに、説明を丁寧にしてくれるかどうかもチェックポイントです。
親子で不安なく治療を受けられるか、詳細な説明と予防指導がなされるかが、安心して通える歯医者選びのポイントとなります。
【年齢別】子どものお口のトラブル
- 0~3歳頃に起こりやすいお口のトラブルを教えてください
- 0〜3歳頃の子どもは、お口のトラブルに注意が必要です。生後6ヵ月頃から乳歯が生え始めるため、むし歯が発生しやすくなります。この時期にはセルフケアやフッ素塗布などの予防措置が重要です。
また、ハイハイやつかまり立ちを始めると、家具にぶつかって歯を傷つける外傷を起こしやすくなります。
- 3~6歳頃に起こりやすいお口のトラブルを教えてください
- 3〜6歳頃の子どもはお口のトラブルに注意が必要な時期です。この年齢では乳歯も生え揃い、むし歯のリスクが高まります。
おやつは決まった時間に限定し、食後に歯磨きをさせることが大切です。奥歯の溝に食べかすが溜まりやすいため、仕上げ磨きを念入りに行うことが推奨されます。
- 6~12歳頃に起こりやすいお口のトラブルを教えてください
- 6〜12歳頃は乳歯から永久歯への生え変わりが活発に行われる時期で、永久歯が生え始めるとむし歯のリスクが増えます。この時期にはフッ素塗布などを利用してむし歯予防に努めることが大切です。
また、永久歯の生え方によっては歯並びが乱れることもあるため、歯並びが気になる場合は小児の歯列矯正の相談をおすすめします。
そして、子ども自身がしっかりと歯磨きを行えるよう、保護者の方が適切な歯磨き方法を教え、習慣を育てることが重要です。
- 12~18歳頃に起こりやすいお口のトラブルを教えてください
- 12〜18歳頃の期間は、学業や部活動で忙しくなるため、定期的な歯科診療を怠りがちかもしれません。この時期は永久歯が生え揃う大切な時期であり、不規則な食生活や自己管理の甘さがむし歯リスクを高めます。
親の手が届かなくなる中学生や高校生になると、自発的な歯磨きの徹底が求められます。
友達との食事や間食が増えることが予想されるため、食後の歯磨きを欠かさないようにしましょう。
編集部まとめ
ここまで子どもが歯医者に通う時のポイントについてお伝えしてきました。
子どもが歯医者に通う時のポイントの要点をまとめると以下のとおりです。
- 小児歯科の診療内容は、むし歯のチェックと治療、歯並びと噛み合わせの評価、フッ素塗布やシーラントによるむし歯予防などがある
- 小児歯科を選ぶ際は、小児歯科の専門性、およびプレイエリアの有無やスタッフの子どもに対する接し方などの確認が重要
- 15〜18歳未満の子どもは、年齢ごとにさまざまな理由からむし歯になるリスクが高いため、定期検診の継続が重要
小さいうちから適切な歯科ケアを始めることで、将来的な大きなトラブルを防ぎ、健康な歯を維持するための基盤を築けるでしょう。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。