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ホワイトニングで知覚過敏になる原因とは?理由や対処法、予防策も詳しく解説!

ホワイトニングで知覚過敏になる原因とは?理由や対処法、予防策も詳しく解説!

歯ブラシやクリーニングでは取り除くことが難しい歯の黄ばみは、ホワイトニングで改善できることがあります。ホワイトニングで使用する薬剤は、市販の歯磨き粉やクリーニングのときに使う研磨剤とは異なるため、しつこい歯の黄ばみも化学的に除去できます。

一方で、ホワイトニングで知覚過敏が生じることも珍しくありません。この記事では、ホワイトニングで知覚過敏になる原因や対処法、予防策などを詳しく解説します。

知覚過敏とホワイトニングの関係

知覚過敏とホワイトニングにどのような関係があるのか確認しておきましょう。

知覚過敏が起こるメカニズムを教えてください
知覚過敏は、歯の神経に外部から刺激が加わることで発生します。歯の外側をエナメル質が覆っており、外部からの刺激を遮断する役割を担っています。このエナメル質に何らかの異常が生じて、象牙質に一部入り込んでいる神経へと刺激が伝わるようになると、知覚過敏の症状が現れます。
なぜホワイトニングで知覚過敏が起こるのですか?
歯科医院のホワイトニングでは、効果の強い薬剤を使用するため、知覚過敏の症状が起こりやすくなっています。過酸化水素という漂白作用のある薬剤を使って歯を漂白するため、その刺激が歯の神経に伝わると知覚過敏が生じます。

過酸化水素を使っているのはオフィスホワイトニングと呼ばれる方法で、患者さんが自宅で施術するホームホワイトニングでは、過酸化尿素といわれる効果が強すぎない薬剤を使用するため、知覚過敏の症状は起こりにくいです。 薬局やドラッグストアなどで購入できる市販のホワイトニンググッズには、過酸化水素や過酸化尿素が使用されていないので、知覚過敏が発生するリスクもほとんどありません。

ホワイトニングで知覚過敏になりやすい人の特徴を教えてください
歯科医院のホワイトニングで知覚過敏の症状が起こりやすい人には、次のような特徴があります。

◎エナメル質が摩耗している

歯の表面を覆っているエナメル質は、硬い組織ではあるものの加齢とともに摩耗していきます。歯ぎしりや食いしばりをしていたり、硬い食べ物を習慣的に食べていたりすると、エナメル質の摩耗しやすくなります。エナメル質がすり減って象牙質が露出すれば、外部からの刺激が神経へと伝わりやすくなり、知覚過敏も起こりやすくなります。

◎エナメル質に亀裂が入っている

エナメル質の一部が欠けたり、亀裂が入っていたりすると、ホワイトニング剤がしみ込んで、知覚過敏の症状を引き起こします。エナメル質の亀裂というのは、肉眼では確認できないこともあるため、不安な方は歯科医師に診てもらいましょう。

◎むし歯になっている

むし歯になると、エナメル質が溶かされて歯の表面に穴が開きます。重症例では象牙質や歯の神経が露出しているため、ホワイトニングで知覚過敏が起こりやすくなります。

◎歯周病で歯茎が下がっている

歯周病で歯茎が下がると、歯根面の象牙質がむき出しの状態になります。象牙質から刺激が伝わり、知覚過敏の症状が現れます。

◎ホワイトニング剤の濃度が高い

ホワイトニングは漂白剤の濃度に応じて知覚過敏のリスクも異なります。ホームホワイトニングでは、過酸化水素が3%程度、過酸化尿素が10%程度の薬剤を使用することから、知覚過敏になりにくいですが、オフィスホワイトニングでは35%程度の過酸化水素を使うため、歯がしみやすくなっています。

また、個人輸入したホワイトニンググッズには、オフィスホワイトニングと同等以上の濃度の過酸化水素が含まれており、歯科医師の診察なしで施術することから、知覚過敏の症状がさらに起こりやすくなることがあります。

ホワイトニングによる知覚過敏はどのくらいの期間続きますか?
一般的なケースでは、施術から24時間も経過すれば症状が治まります。軽度の場合は、施術後には症状がなくなることも少なくありません。施術から2~3日経過しても症状が続いたり、鎮痛剤の服用が必要になったりする痛むがある場合は、何らかの異常が疑われるため、早急に歯科医院に相談しましょう。

ホワイトニングで知覚過敏になったときの対処法

ホワイトニングで知覚過敏になったときの対処法 ホワイトニングによって知覚過敏の症状が現れた場合の対処法について解説します。

ホワイトニング後に知覚過敏になったらどうすればいいですか?
ホワイトニング後の知覚過敏には、次の方法で対処するのが有効です。

◎歯に刺激を与えない

冷たいものや熱いもの、辛い物などをお口にしないようにしましょう。

◎知覚過敏用の歯磨き粉を使用する

硝酸カリウムや乳酸アルミニウムが配合された歯磨き粉には、知覚過敏の症状を抑える効果が期待されています。硝酸カリウムは、歯の神経に伝わる刺激を弱めて、乳酸アルミニウムは、象牙細管という微細な穴を塞いで、知覚過敏の症状を抑えてくれます。

◎マウスピースの装着時間を短くする

ホームホワイトニングで知覚過敏の症状が現れている場合は、マウスピースの装着時間を短くすることで対処しましょう。症状が改善されない場合は、ホームホワイトニングを中断して歯科医師に相談してください。

◎市販の鎮痛剤を飲む

ホワイトニングによる知覚過敏の症状が現れている場合は、市販の鎮痛剤で痛みを抑えましょう。ただし、対症療法でしかないため、鎮痛剤の服用は応急的な処置ととらえ、知覚過敏の症状が続くようであれば、歯科医師に相談することをおすすめします。

知覚過敏用の歯磨き粉の効果的な使い方を教えてください
毎回の歯磨きで十分な量を歯ブラシにのせて、やさしく丁寧に磨くように心がけましょう。薬用成分を発揮させるためには、歯磨き後のうがいを少なくとどめるのがポイントです。知覚過敏用歯磨き粉の効果は即効性はないので、焦らずに使用を続けることが大切です。
歯科医院で受けられる知覚過敏の治療方法を教えてください
歯科医院では、知覚過敏の症状を抑制する薬剤を塗布したり、歯の表面をコーティングしたりする治療を受けることができます。摩耗や咬耗、亀裂では、コンポジットレジンで修復する場合もあります。保存的な治療を行っても改善しない知覚過敏には、歯の神経を抜く処置が必要となります。

ホワイニングで知覚過敏にならないための予防策

ホワイニングで知覚過敏にならないための予防策 ホワイトニングによる知覚過敏の症状を予防する方法について解説します。

ホワイトニングで知覚過敏を防ぐために事前にできることはありますか?
歯の摩耗や亀裂、むし歯がある場合は、事前に治しておきましょう。歯科医院でのホワイトニングであれば、前もって歯科医師が診察を行うため、歯の摩耗や亀裂、むし歯を放置したままホワイトニングすることはまずありません。ホワイトニング前から知覚過敏用の歯磨き粉を使っておくと、知覚過敏の症状をさらに予防しやすくなります。
ホワイトニング後に知覚過敏を防ぐためのケア方法を教えてください
ホワイトニング後は、しばらく知覚過敏が起こりやすい状態となるため、冷たいものや熱いものをできるだけ控えましょう。歯磨きの際には、知覚過敏用の歯磨き粉を使ってやさしく丁寧に磨くのがポイントです。水分補給をこまめに行うなどして、お口の乾燥を防ぐこともホワイトニング後の知覚過敏の予防につながります。
ホワイトニング前に歯科医院に相談した方がよいことはありますか?
歯の摩耗や亀裂、むし歯がないかは確認しましょう。知覚過敏用のリスクについてもよく相談しておくことが大切です。ホワイトニングによって知覚過敏が生じた場合の対処法も確認しておいてください。

編集部まとめ

ホワイトニングで知覚過敏になる原因や対処法、予防策について解説しました。歯科医院のホワイトニングでは、漂白作用のある薬剤を使うことから、歯の神経に刺激が伝わって知覚過敏の症状を引き起こすことがあります。特にエナメル質の摩耗や亀裂、むし歯などが認められるケースでは、ホワイトニングで知覚過敏になりやすいため注意が必要です。ホワイトニングによる知覚過敏の症状が長く続くようであれば、何らかの異常が疑われることから歯科医院で診てもらうのが望ましいです。

参考文献

この記事の監修歯科医師
木下 裕貴歯科医師(医療法人社団天祐会 副理事長)

木下 裕貴歯科医師(医療法人社団天祐会 副理事長)

北海道大学歯学部卒業 / 医療法人社団天祐会 副理事長 / 専門はマウスピース矯正、小児矯正 / 一般歯科全般もOK

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